弁護士の大変革期を迎えて!
現在弁護士業務は大きな変革期を迎えております。
従来、弁護士は裁判における代理人(訴訟代理人)という側面が強く、弁護士に案件を依嘱するのはイレギュラーな事態という認識が一般的であったと思います。しかしながら、いまや弁護士は顧客に対してどのようなスキルを提供できるのか、が問われる時代になりました。ここ10年来のいわゆる「司法改革」は、単に法律の改正や、裁判員制度の導入といった制度的な改革に止まるものではなく、弁護士業務を、市民や企業に対して様々な司法サービスを提供する立場としてとらえるところにその本質があると考えるべきでしょう。これは、単に弁護士に止まらず、弁理士、司法書士、土地家屋調査士といったいわゆる士業、さらには裁判所も含む司法システム全般にわたる社会の変化に対応した変革なのです。
弁護士とはなにか?
このような状況において、あえて弁護士業務を総括するならば、弁護士は「情報処理産業」であるということができます。弁護士の業務範囲は、単なる訴訟代理に止まらず、様々な法律相談、カウンセリング、コンサルティングなども含んでおりますが、単なるコンサルタントや事務委託と異なるのは、法的処理を見据えて、そのアウトプットを前提としてお客様に対して必要なスキルを提供し、場合によっては委任状を頂戴して自ら処理を行う、という点にあります。弁護士は国民の人権を擁護するために働く、という言葉がありますが、これは企業のために働く弁護士にとっても当てはまることです。弁護士は、法的判断についての情報処理を前提として行動するからこそ、企業を顧客として案件処理をした場合でも、公正な処理が実現されることになるのです。
アクトワンの目指すもの
このような理解の下に、私どもはこの度「弁護士法人アクトワン法律事務所」を立ち上げました。現状、弁護士業務の変革期にありながら、残念ながら弁護士全体として、十分な司法サービスが提供できているとは到底言えない状況にあります。それは、あえて誤謬をおそれず申し上げれば、中小の法律事務所においては、主として旧態依然たる訴訟代理中心の業務となっており、巨大事務所においては、高度なスキルを有するものの高コスト体質となっており、顧客のニーズに十分対応できていないことに原因があると考えております。私どもはこのような問題意識の下、弁護士法人アクトワンの目標を以下のとおり設定いたしました。
従来ややもすると弁護士は、法的処理を指向する傾向がありましたが、現実の社会において法的処理によって解決されるケースは決して多くありません。近時、紛争解決が当事者間に任意に成立する確立が低くなってきておりますが、必ずしも法的手続きの利用がお客様にとってベストな選択であるとは限りません。私どもはお客様のニーズに対応した様々なスキルを提供することによって、お客様に最大限の満足をもたらず解決を目指します。
従来、弁護士業務は複数の弁護士が対応しても、最終的には個々の弁護士のスキルによって処理されており、そのノウハウは属人的なものでした。その原因のひとつは、弁護士事務所あるいは弁護士法人の組織規程があまり整備されておらず、案件の担当が決まったのちは、担当弁護士のスキルによって事件が処理される、という点にあるのではないか、と思います。弁護士法人アクトワンは、会社の職務規程に準じた組織規程を整備しており、個々の弁護士に蓄積したスキル・ノウハウの承継を目指します。
従来、弁護士事務所に事件の処理を依頼した場合においては、他の業者に委託可能な事務処理まで弁護士事務所内部において処理されることになり、必然的に高コスト体質となっておりました。私どもは、司法書士法人・土地家屋調査士法人等との提携によって、可能なかぎりローコストオペレーションを実現し、お客様に対する最大限のサービスの実現を目指します。
こういった問題意識から私どもは、この度、「弁護士法人アクトワン法律事務所」を設立いたしました。「アクトワン」とは,お客様の信頼される無二の代理人でありたい,という気持ちと,新しい法律事務の第1幕をこれから始めるのだ,と気概を込めて名付けました。以上にかかげました目標に対して、私どもはまたまだ浅学非力ではございますが、精一杯精進してゆく所存でございます。今後とも、弁護士法人アクトワンをよろしくお願い申し上げます。